2026年7月29日、ドイツ・ヴァッケンで開催された世界最大級のヘヴィメタル・フェスティバル「Wacken Open Air 2026」の初日、メインステージの一つである「Faster Stage」の16:00枠に、日本の純血ヘヴィメタル・バンドLOVEBITESが登場した。
2018年に「WET Stage」で初出演を果たして以来、実に8年ぶり2度目となるWackenのステージ。創設メンバーであるベーシストmihoの脱退、新メンバーfami。の加入、活動休止を経て挑んだ今回のパフォーマンスは、欧州・日本・アジアを巡る「OUTSTANDING TOUR – EU/UK 2026」の初戦欧州ツアーの一環として位置づけられ、世界のメタルファンへ向けてストリーミング配信も行われた。
ステージの背景と現地における期待感
2018年の初出演時、LOVEBITESは結成間もない注目の新鋭として認知されていた。しかし、その後の8年間で幾度もの海外ツアーを重ね、作品ごとに演奏力と楽曲の質を証明してきた彼女たちは、今回のWackenにおいて「確固たる実力を持つヘヴィメタルバンド」としてメインステージに迎えられた。
白で統一された衣装を纏った5人がステージに姿を現すと、広大なFaster Stageの前を埋めた観客から歓声が上がった。配信映像においても非常に鮮明な音質でそのパフォーマンスが世界へ届けられ、1時間の演奏時間を通じて観客が引き込まれていく様子が記録されている。
セットリストと演奏内容の分析
当日のセットリストは、1stフルアルバムの楽曲から最新の代表曲まで、バンドの10年の歴史を凝縮した全9曲で構成された。
【Wacken Open Air 2026 セットリスト】
- The Hammer of Wrath
- Rising
- Judgement Day
- The Castaway
- Raise Some Hell
- Soldier Stands Solitarily
- When Destinies Align
- M.D.O.
- Holy War
序盤:原点提示と攻勢(1〜3曲目)
オープニングを飾ったのは、1stフルアルバム『AWAKENING FROM ABYSS』の冒頭曲であり、初代リーダーmihoの重厚なベースラインが特徴的な「The Hammer of Wrath」。この歴史的楽曲を冒頭に配することで、バンドのルーツと不変の姿勢を強力にアピールした。 続いて2曲目にはメロディック・パワーメタルの名曲「Rising」、3曲目にはfami。加入後の復活劇を象徴するタイトル曲「Judgement Day」を打ち込み、序盤から疾走感と重厚さを兼ね備えた攻撃的な展開を見せた。
中盤:技術と展開美の凝縮(4〜6曲目)
中盤では、ツインギターの緻密なハモりと展開美が光る「The Castaway」、アグレッシブなビートで観客を煽る「Raise Some Hell」、そして超高難度の演奏テクニックが要求される「Soldier Stands Solitarily」を連続で披露。 midoriとmiyakoによる高速の掛け合いギターソロ、harunaの爆速かつ正確なドラミング、そしてfami。のスラップやテクニカルなアプローチが冴え渡り、バンドとしての高い演奏能力が余すところなく示された。
終盤:狂乱のクライマックス(7〜9曲目)
後半に入ると、シンガロングを生み出す「When Destinies Align」で会場の一体感を高めた後、asamiの「Are you ready for M.D.O.!?」というシャウトとともに「M.D.O.」(Most Dangerous One)へ突入。凶暴なリフと重厚なリズムで客席を揺らした。
そして全9曲のラストを飾ったのは「Holy War」。美しく壮大なメロディとハイトーンヴォーカル、炸裂するツインリードがWackenの空に響き渡り、大狂乱のうちに1時間のステージを完遂した。
総括と今後の展望
今回のWacken Open Air 2026におけるパフォーマンスは、8年前の「挑戦者」から「確固たる実力派アクト」へと進化を遂げたLOVEBITESの姿を明確に示すものとなった。
初期の重厚なへヴィメタル主義を継承しつつ、新体制での洗練されたグルーヴを加えた全9曲のセットリストは、10周年のメモリアルイヤーにふさわしい完成度を誇っていた。
欧州ツアーを経て、10月にはWackenのスピリットを継承した日本国内初の大型フェス「FULL METAL JAPAN 2026 ~Powered by WACKEN~」(10月24日・ぴあアリーナMM)への出演も決定しており、世界で培った圧倒的なライブパフォーマンスが日本国内でも還元されることとなる。歴史を重ねるごとにスケールを増す彼女たちの更なる爆走に期待が集まっている。

