さらなる進化と攻撃性を提示した集大成EP
2024年8月28日にリリースされたミニ・アルバム『LOVEBITES EP II』は、2017年の衝撃的デビュー作『THE LOVEBITES EP』の初期衝動と精神性をリビルドし、「LOVEBITES 2.0」とも言える新次元の進化(SHINKA)を提示した話題作だ。前作4thアルバム『JUDGEMENT DAY』とそれに伴う世界ツアーを経て、バンドとしての結束力と表現力を極限まで高めた彼女たちが解き放った至高の5曲が収録されている。
タイトルの通りデビューEPの正統な系譜を継ぎながらも、単なる原点回帰にとどまらないテクニカルかつ多面的なアプローチを網羅。音質面ではおなじみのフィンランド・フィンヴォックス・スタジオの重鎮コンビ、ミッコ・カルミラ(ミックス)とミカ・ユッシラ(マスタリング)が音響構築を手がけ、各パートの分離感と圧倒的な音圧が高次元で両立された。
公式の曲順および作詞・作曲・編曲クレジットに基づき、新時代のメタルの金字塔となる全5曲を1曲ずつ詳細に紐解いていく。
Unchained
作詞:asami / 作曲:Miyako / 編曲:LOVEBITES, Miyako
作品のオープニングを飾る「Unchained」は、解き放たれた野性と洗練された美学が融合した、疾走感あふれるスピード・メタル・ナンバーだ。作詞をasami、作曲をMiyakoが担当した。
タイトルの通り「解き放たれた」圧倒的なエネルギーがイントロのツインギターから溢れ出し、harunaの爆発的なツーバスとfamiのテクニカルなベースアプローチが力強くボトムを支える。サビで一気に開花するasamiの力強くもキャッチーなハイトーン・ボーカルは、あらゆる束縛を突き破るかのような爽快感をもたらす。
間奏部分でのMiyakoとmidoriによる精緻なギターソロの掛け合いは圧巻で、ネオ・クラシカルな旋律美とへヴィメタルのアグレッシブさが見事に結晶化したオープニングにふさわしい名曲だ。
Soul Defender
作詞:asami / 作曲:asami, Mao / 編曲:LOVEBITES, Mao
2曲目の「Soul Defender」は、重厚なスラッシュ・リフと胸を打つ哀愁の旋律が激しく交錯するハイパー・スピード・メタル・チューン。作詞をasami、作曲をasamiとMaoが手掛けた。
ボーカリストであるasami自身がコンポーズに関わったことで、彼女のダイナミックな歌唱アプローチと密接にリンクしたスリリングなメロディラインが展開される。「魂の守護者」というタイトルの下、激しい時代の波に立ち向かう不屈の精神が歌い上げられていく。
ザクザクと刻まれるギターリフの刻みと高速ドラミングの上で展開されるツインギターのハモりは圧巻であり、ライブでもフロアを熱狂させる力強いアンセムである。
Where’s Identity
作詞:asami / 作曲:Miyako, asami / 編曲:LOVEBITES, Miyako
3曲目の「Where’s Identity」は、近未来的なダークさとプログレッシブな重厚感が漂う、アグレッシブなメタル・トラック。作詞をasami、作曲をMiyakoとasamiが手掛けた。
「アイデンティティ(自己同一性)はどこにあるのか」という問いを投げかけるダークな世界観を、メカニカルかつテクニカルなリフワークで表現。変則的なリズムチェンジとスリリングな展開が強烈な緊張感を生み出している。
asamiのボーカルも低音のグラマラスな表現から高音の鋭いスクリームまで多面的に変化し、中間部で魅せるシュレッドギターとベースのテクニカルな交錯が光る一曲だ。
The Bell In The Jail
作詞:asami / 作曲:Mao / 編曲:LOVEBITES, Mao
4曲目の「The Bell In The Jail」は、クラシカルな展開美とメロディック・パワー・メタルの爽快感が同居するドラマチックなナンバー。作詞をasami、作曲をMaoが担当した。
「監獄の鐘」を思わせる印象的なオープニングから、雪崩を打って疾走する王道のメタル・サウンドへと移行する構成が見事だ。哀愁を帯びたサビの旋律は耳に強く残り、聴く者のドラマチックな感情を強く刺激する。
midoriのアグレッシブなソロアプローチとMiyakoの流麗なフレーズが互いを引き立て合い、ツインギター・メタルの醍醐味を凝縮した佳曲となっている。
Someone’s Dream
作詞:asami / 作曲:Miyako / 編曲:LOVEBITES, Miyako
作品のフィナーレを飾る「Someone’s Dream」は、圧倒的な多幸感と壮大なスケール感に包まれたシンフォニック・パワー・メタル大曲。作詞をasami、作曲をMiyakoが手掛けた。
光と希望に溢れた旋律が楽曲全体を包み込み、誰かの夢や未来を祝福するかのような温かくも力強い歌声が響き渡る。疾走するリズムの上で織りなされるオーケストレーションと重厚なバンドサウンドの融合は息をのむ美しさだ。
後半に向けてカタルシスが最高潮に達する感動的な展開美を含め、『LOVEBITES EP II』という作品を最高の形で締めくくる極上のラスト・トラックである。
『LOVEBITES EP II』総評
『LOVEBITES EP II』は、デビュー作の初期衝動を宿しながらも、進化し続けるバンドの「現在地」と「無限の可能性」を完璧に提示した全曲主役級の傑作EPである。作詞・作曲陣の研ぎ澄まされたセンスと、5人の圧倒的な演奏技術が高次元で結実しており、一瞬たりとも隙が存在しない。世界へ向けて放たれたこの作品は、LOVEBITESが新時代(LOVEBITES 2.0)においてもヘヴィメタルシーンの最前線を走り続ける存在であることを強烈に印象づける名盤だ。

