新体制で挑んだ奇跡の4thアルバムと復活への咆哮
2023年2月22日にリリースされた4thフルアルバム『JUDGEMENT DAY』は、結成メンバーであるmiho(Ba)の脱退と活動休止を経て、新ベーシストfamiを迎えた新体制で解き放たれた奇跡の復活作だ。活動休止という試練を乗り越え、オーディションによって新鋭ベーシストfamiをメンバーに迎えた彼女たちが提示したのは、バンドの生存と進化を証明する圧倒的なヘヴィメタル・サウンドであった。
タイトルの『JUDGEMENT DAY』は「審判の日」を意味し、バンド存続の危機と復活への覚悟、そして新体制となったLOVEBITESが再び世界へ挑む強い意思が込められている。ミックスにミッコ・カルミラ、マスタリングにミカ・ユッシラというフィンランド・フィンヴォックス・スタジオの重鎮コンビを継続起用し、圧倒的な音圧とツインギターの流麗な分離感、新加入famiによるテクニカルなベースプレイが高次元で結実した。
全10曲・約54分に及ぶ復活の大傑作について、公式の正確なトラックリストおよび作詞・作曲・編曲クレジットに基づき、1曲ずつ深掘りして解説していく。
We Are The Resurrection
作詞:asami / 作曲:midori, asami, Mao / 編曲:Mao, LOVEBITES
アルバムのオープニングを飾る「We Are The Resurrection」は、「我らは復活を果たした」という強烈な宣言を突きつける爆発的なスピード・メタル・ナンバーだ。作詞をasami、作曲をmidori、asami、Maoが共同で手掛けた。
劇的なイントロから一気に爆発するツインギターのハモりと高速ツーバス、そして新加入famiのスラップを交えたアグレッシブなベースアプローチが疾走する。サビではasamiのハイトーンと開放感あふれる旋律が炸裂し、バンドが完全復活を遂げたカタルシスをダイレクトに叩きつけてくる。
midoriとMiyakoによるテクニカルなギターソロの掛け合いも冴えわたり、新生LOVEBITESの幕開けにふさわしい圧倒的なパワーと希望に満ちた屈指のオープニング・トラックだ。
Judgement Day
作詞:asami / 作曲:asami, Mao / 編曲:Mao, LOVEBITES
2曲目のタイトル曲「Judgement Day」は、アルバムの先行リードトラックとしてMVも制作され、バンドの覚悟と進化した姿を象徴するネオ・クラシカル・パワー・メタル。作詞をasami、作曲をasamiとMaoが担当した。
切なくもスリリングなツインギターのメロディから一転、猛烈なスピードで駆け抜ける疾走サウンドは圧巻の一言。「審判の日」に立ち向かう気高き意志を描いた歌詞と、asamiの感情を露わにした圧倒的な歌唱が見事にシンクロしている。
間奏におけるクラシカルなギターのハモりと、静と動が交錯するドラマチックな展開美はLOVEBITESの王道でありながら、よりソリッドに磨き上げられた名曲である。
The Spirit Lives On
作詞:asami / 作曲:Mao / 編曲:Mao, LOVEBITES
3曲目の「The Spirit Lives On」は、溢れ出る多幸感と疾走感が心地よい、正統派ジャーマン・パワー・メタル調のハイスピード・チューン。作詞はasami、作曲はMaoが手掛けた。
「魂は生き続ける」というタイトルの通り、どんな困難に直面しても絶えることのない信念を歌い上げる。キャッチーで伸びやかなサビの旋律は一度聴いたら耳から離れず、ライブでのシンガロングを強く予感させる。
harunaのタイトで高速なドラミングと流麗なツインギターのオブリガートが楽曲を力強く牽引し、聴く者に溢れんばかりの勇気を与えるポジティブなアンセムだ。
Wicked Witch
作詞:asami / 作曲:Miyako / 編曲:Miyako, LOVEBITES
4曲目の「Wicked Witch」は、ダーク&ポップな魅力を撒き散らす、キャッチーでミステリアスなハードロック/メタル・ナンバー。作詞をasami、作曲をMiyakoが担当した。
「悪い魔女」をモチーフにした遊び心溢れる世界観と、軽快でありながらヘヴィなギターリフが強烈な印象を残す。asamiのボーカルも表現力豊かで、艶やかさと毒気を巧みに使い分けている。
疾走曲が続く中でアルバムに絶妙なメリハリを与えるアクセントとなっており、Miyakoらしい洗練されたフックのあるソングライティングが光る佳曲だ。
Stand And Deliver (Shoot ‘em Down)
作詞:asami / 作曲:asami, Miyako / 編曲:Miyako, LOVEBITES
5曲目の「Stand And Deliver (Shoot ‘em Down)」は、アリーナ・ロック級の大合唱と力強いノリを誇るアンセム調のハードロック・チューン。作詞をasami、作曲をasamiとMiyakoが手掛けた。
ミッドテンポの骨太なリフとダイナミックなリズムに乗せて、観客とともに拳を突き上げる光景が目に浮かぶ展開が見事。サビでのキャッチーなフレーズと掛け声はライブ映え抜群だ。
famiのバウンスするベースラインとソウルフルなasamiの歌唱が合致し、バンドの持つスケール感の大きさを誇示するトラックである。
Victim Of Time
作詞:asami / 作曲:Mao / 編曲:Mao, LOVEBITES
6曲目の「Victim Of Time」は、スラッシーな攻撃性とクラシカルなメロディが完璧に融合したハイスピード・スピード・メタル。作詞をasami、作曲をMaoが担当した。
「時間の犠牲者」というタイトルの下、刻一刻と過ぎ去る時間との戦いを過激なスピードサウンドで表現。ザクザクと刻まれる鋭角なギターリフと、怒涛のツーバス連打が聴き手を圧倒する。
アグレッシブでありながらサビでは哀愁のメロディが交錯し、ツインギターのスリリングなハモりソロを含めてメタル・ファンの血を滾らせる力作だ。
My Orion
作詞:asami / 作曲:Mao / 編曲:Mao, LOVEBITES
7曲目の「My Orion」は、80年代ポップスやAORのキャッチーなニュアンスをモダンなヘヴィメタルへ落とし込んだメロディック・ナンバー。作詞をasami、作曲をMaoが手掛けた。
夜空に輝く星座を思わせるロマンチックで哀愁を帯びたメロディラインが美しく、asamiの伸びやかで優しい歌声が心に染み渡る。ポップさとヘヴィネスのバランスが絶妙だ。
哀愁あふれるギターアプローチとタイトなリズムワークが楽曲の透明感を際立たせており、アルバム後半へ向けた美しい爽快感をもたらす。
Lost In The Garden
作詞:asami / 作曲:Miyako / 編曲:Miyako, LOVEBITES
8曲目の「Lost In The Garden」は、6分を超える演奏時間の中で美しくも切ないストーリーが展開される、ドラマチックなシンフォニック・パワー・メタル大曲。作詞をasami、作曲をMiyakoが担当した。
静けさを湛えたアコースティック調のイントロから、重厚なバンドサウンドとストリングスが交錯する怒涛の展開へ。迷宮に迷い込んだかのような儚くも幻想的な世界観を、旋律美豊かなギターと情緒的なボーカルで描き出す。
中間部でのピアノとギターのクラシカルなハモりや、ドラマチックに盛り上がるソロパートを含め、Miyakoのコンポーズ美学が凝縮された逸品である。
Dissonance
作詞:asami / 作曲:asami, Mao / 編曲:Mao, LOVEBITES
9曲目の「Dissonance」は、アルバム中最もダークでアグレッシブ、かつプログレッシブな緊張感に満ちた異色曲。作詞をasami、作曲をasamiとMaoが手掛けた dinamica。
タイトルが示す「不協和音」の如く、変則的なリフアプローチとテクニカルなリズムチェンジが渦巻く。asamiの歌唱もシャウトやスクリーム交じりの荒々しい表現を見せ、バンドの底知れぬへヴィネスを突きつける。
midoriとMiyakoのアバンギャルドかつ超絶テクニカルなギターソロが火花を散らし、スリリングな快感を生み出すテクニカル・メタル・チューンだ。
Soldier Stands Solitarily
作詞:asami / 作曲:Miyako / 編曲:Miyako, LOVEBITES
ラストを飾る「Soldier Stands Solitarily」は、バンド史上最速レベルの疾走感と最高峰の難易度を誇る超絶怒涛のメロディック・スピード・メタル。作詞をasami、作曲をMiyakoが担当した。
「戦士は孤独に立つ」というタイトルの下、苛烈なネオ・クラシカル・リフとharunaの限界突破の高速ツーバスが全編を駆け抜ける。サビで炸裂する劇的で切ない旋律美とasamiのソウルフルな絶唱は鳥肌ものだ。
間奏で繰り広げられるツインギターとベースの超絶技術の応酬、そして怒涛のクライマックスへの雪崩れ込みは圧巻。新生LOVEBITESの圧倒的実力を世界に見せつけ、アルバムを最高のカタルシスで締めくくる歴史的名曲である。
『JUDGEMENT DAY』総評
『JUDGEMENT DAY』は、メンバー脱退と活動休止という最大の危機を乗り越えたLOVEBITESが、さらなる高みへと進化を遂げたことを証明する奇跡の大傑作だ。新メンバーfamiの加入によってリズム隊の重厚さとスラップ等の表現力が強化され、ソングライティングのクオリティも過去最高レベルへ到達した。全10曲に隙は一切なく、ヘヴィメタルの美学と熱量が極限まで詰め込まれた本作は、彼女たちの黄金期を再び更新する歴史的名盤として語り継がれるだろう。

